糖尿病は、大きく分けて「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」「その他の糖尿病」の4つに分けられます。
このうち、日本人の糖尿病患者のタイプとして多いのが2型糖尿病です。
全体の9割を占めるほどとまでなっている、糖尿病の中でも定番中の定番。
主な原因は食事や生活習慣の悪さであり、もともともっていた病気でないだけに、日頃の行いの悪さから発病してしまった病気ともいえます。
この2型糖尿病での治療で中心となるのが、食事療法です。
糖尿病は血糖値の数値によって左右される病気ですから、この血糖値をいかにうまくコントロールするかが要となります。
うまくコントロールできれば病状も治まって普通の人と変わらない生活を送る事ができますが、コントロールできなければそのまま病状を悪化させてしまいます。
そして、この血糖値の数値を大きく左右するのが食事です。
人は食事から糖分を摂取しますので、これをうまくコントロールすることが病状を抑える事になるのです。
ちなみに1型糖尿病は、もともとインスリンやそれを分泌するすい臓自体に異常が起こってしまい糖尿病になってしまいます。
ですから、食事療法よりもインスリン注射などの薬物療法のほうが重視されています。
根本的に2型糖尿病とは違うのです。
では、糖尿病における食事療法とはどんなものなのでしょうか?
こう聞くと、なにやら味気のないまずそうな食事を想像してしまいがちですが、意外と普通の食事。
糖尿病を患っていない家族でも一緒に食べれるような、ごく健康的な食事です。
それも当然のことで、糖尿病による食事療法はただ単にバランスの取れた食事なのですから…。
例えれば、粗食に近いものといえるでしょうか。
2型糖尿病を発病する人というのは、脂っこい料理や甘いモノなどを多く食べてきた人ばかりですから、そういった人からみれば味気のない、満足感の少ない料理に見えてしまうのかもしれませんね。
糖尿病による食事療法は、正しい食習慣に直すもの。
過食、偏食はもってのほかで、バランスのとれた規則正しい食事とします。
とはいえ、患者さんの病状やライフスタイルなどによって、その食事の内容は若干異なる内容となります。
それというのも、患者さんによって1日に必要な摂取エネルギー量が違うから。
性別や年齢、肥満度、日常生活、身体活動量、血糖値、合併症などによって、医師が1日にどれくらいの摂取エネルギー量にするかを決定。
それに合わせて献立を作っていくのです。
もちろん、栄養成分の割合なんかも守らなければいけません。
指定されるのはエネルギーだけでなく、体に必要な栄養素もなのです。
炭水化物やタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど…それを過不足ないように献立を作ります。
その際、日本糖尿病協会が発行している「糖尿病食事療法のための食品交換表」などを利用すると、献立も立てやすくなります。
食事内容だけでなく、食べ方にも注意が必要。
血糖値を安定させるためにも、食事は決まった時間に、そしてその量もほぼ同じものとしなければいけません。
「忙しかったから」などといって食事を抜いたり、ドカ食いしたりすると血糖値は急激に上昇。
空腹時間が長かったことからも、栄養素の吸収がいつも異常に増して体脂肪となりやすくなるのです。
調理する際はきっちりと軽量するクセをつけ、食事記録をつけて栄養バランスをチェック。
早食いは満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまうので、ゆっくりとよく噛んで食べるようにします。
また、適正体重を保つことも重要。
体脂肪が多いと、インスリンが十分に働くことができなくなることもあります。
これをインスリン抵抗性と呼んでいます。
糖尿病による食事療法の基本はバランス、そして体にあったカロリーの食事です。
そしてゆっくりよく噛んで食べるなどの当たり前の食習慣が大事となります。
まさに、正しい食事のとり方…それが糖尿病による食事療法なのです。
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